XLIIIInformix 関数

導入

Informix (IDS) 7.x, SE 7.x, Universal Server (IUS) 9.x ,IDS 2000 用のInformixドライバは、informix拡張機能用ディレクトリの"ifx.ec" および"php3_ifx.h"に実装されています。 IDS 7.xのサポートは、BYTEおよびTEXTカラムを完全にサポートしており、 完成度はかなり高いです。 IUS 9.xのサポートは、部分的に完成しています。つまり、 新しいデータ型はサポートされていますが、SLOBおよびCLOBのサポートについては まだ作業中です。

要件

設定に関する注意 PHP Informix ドライバをコンパイルするには、何らかのバージョンのESQL/C が必要です。7.2x以降のバージョンに付属するESQL/Cは問題なく使用できます。 現在では、ESQL/CはInformixクライアントSDKに含まれています。

"configure" スクリプトを実行する前に、必ず"INFORMIXDIR" 変数を設定し、 PATHに$INFORMIXDIR/bin を設定しておいてください。

インストール手順

このモジュールで定義した関数を使用可能とするには、configureに --with_informix[=DIR]を指定して PHPインタプリタをコンパイルする必要があります。ただし、DIRは Informixのベースインストールディレクトリで、デフォルトはありません。

実行用の設定

これらの関数の動作は、php.iniの設定により変化します。

注意 Informix用環境変数INFORMIXDIRおよびINFORMIXSERVERがPHP ifxドライバ で利用可能であり、INFORMIXのバイナリがあるディレクトリにパスが通っ ていることを確認して下さい。テストを始める前に phpinfo()と書いたスクリプトを実行し、これを確認 して下さい。 phpinfo() があるスクリプトは、これらの環境変数の 一覧を出力します。これは、CGI版のPHPおよびApache mod_phpで共に行わ れます。これらの環境変数はApacheのスタートアップスクリプトで設定す る必要があります。

また、Informix共有ライブラリがローダーで利用可能である必要があります。 (LD_LINBRARY_PATHまたはld.so.conf/ldconfigを確認して下さい)

BLOB (TEXT および BYTE カラム)の使用に関する注意 通常、BLOB はBLOB ID により指定されます。 select クエリーは、BYTE および TEXT カラム毎に "blob id" を返します。 ( "ifx_blobinfile(0);" により) メモリー上で BLOB を得ることを選択した場合、 "string_var = ifx_get_blob($blob_id);" で内容を得ることができます。 ファイルから BLOB カラムの内容を取得したい場合、 "ifx_blobinfile(1);" を使用して下さい。 "ifx_get_blob($blob_id);" によりファイル名を得ることができます。 BLOB の内容を得る際には、通常のファイル入出力を行ってください。

insert/update クエリーに関しては、 "ifx_create_blob(..);" により自分で "blob id" を作成する必要があります。 その後、blob id を配列に代入し、 クエリー文字列の中の blob カラムを疑問符 (?) で置換します。 updates/inserts の場合、ifx_update_blob()でblob の内容を設定するのが便利でしょう。

BLOB カラムの動作は、設定用変数で変更することができます。 これらの変数は、実行時にも設定可能です。

設定変数 : ifx.textasvarchar

設定変数 : ifx.byteasvarchar

ランタイム関数 :

ifx_textasvarchar(0) : TEXT カラムを有する select クエリーに blob id を使用する columns

ifx_byteasvarchar(0) : BYTE カラムを有する select クエリーに blob id を使用する columns

ifx_textasvarchar(1) : TEXTカラムをVARCHARカラムとして返します。 このため、selectクエリーにおいてblob idを使用する必要はありません。

ifx_byteasvarchar(1) : BYTEカラムをVARCHARカラムとして返します。 このため、selectクエリーにおいてblob idを使用する必要はありません。

設定変数 : ifx.blobinfile

ランタイム関数 :

ifx_blobinfile_mode(0) : メモリーに BYTE カラムを返す, blob id によ りその内容を取り出す

ifx_blobinfile_mode(1) : モリーに BYTE カラムを返す, blob id によ りそのファイル名を取り出す

ifx_text/byteasvarchar を 1 に設定した場合、 通常の(しかしやや長い) VARCHAR フィールドのように select クエリーで TEXT や BYTE カラムを使用することが可能です。 全ての文字列は、PHP で "数えられる" ので、これにより、"バイナリ・セー フ"が維持されます。 これを正しく処理するのはあなた次第です。 返されるデータには何でも含むことができますが、その内容について 責任を負うことになります。

ifx_blobinfile を 1 に設定した場合、blob の内容を得るために ifx_get_blob(..) により返されたファイル名を使用して下さい。 この場合、行を取得する際に Informix により作成されたテンポラリファイル を削除する責任があります。取得された新規の行は、BYTE カラム毎に新 規のテンポラリファイルを作成します。

テンポラリファイルの位置は、環境変数 "blobdir" により設定すること ができます。デフォルトは、"." (カレントディレクトリ)です。 putenv(blobdir="tmpblob"); のようにすることにより、誤って残ってし まったテンポラリファイルを削除することが容易になります。(テンポラ リファイルの名前は "blb" で始まります)

自動的に "char" (SQLCHAR および SQLNCHAR) データを取り去る これは、次の設定変数により設定することが可能です。

ifx.charasvarchar : 最後尾のスペースを何らかの削除処理を行わずに 自動的に取り去る場合に1に設定します。

NULL 設定変数 ifx.nullformat (およびランタイム関数 ifx_nullformat()) をTRUEに設定した場合、文字列 "NULL" として NULL カラムを返します。FALSEに設定した場合は空文字 列を返します。これにより、NULLカラムと空のカラムを識別することが 可能となります。

表 1Informix設定オプション

名前デフォルト変更の可否
ifx.allow_persistent"1"PHP_INI_SYSTEM
ifx.max_persistent"-1"PHP_INI_SYSTEM
ifx.max_links"-1"PHP_INI_SYSTEM
ifx.default_hostNULLPHP_INI_SYSTEM
ifx.default_userNULLPHP_INI_SYSTEM
ifx.default_passwordNULLPHP_INI_SYSTEM
ifx.blobinfile"1"PHP_INI_ALL
ifx.textasvarchar"0"PHP_INI_ALL
ifx.byteasvarchar"0"PHP_INI_ALL
ifx.charasvarchar"0"PHP_INI_ALL
ifx.nullformat"0"PHP_INI_ALL
PHP_INI_*定数に関する詳細と定義については、 ini_set()を参照して下さい。

以下に設定ディレクティブの簡単な説明を示します。

ifx.allow_persistent boolean

持続性のあるInformix接続を可能とするかどうか。

ifx.max_persistent integer

プロセス毎の持続性のあるInformix接続の最大数。

ifx.max_links integer

持続的接続を含むプロセス毎のInformix接続の最大数。

ifx.default_host string

ifx_connect() または ifx_pconnect()においてホストが指定されない場 合のデフォルトのホスト。 safe modeでは適用され ません。

ifx.default_user string

ifx_connect() または ifx_pconnect()においてユーザーが指定されない 場合のデフォルトのユーザー。 safe modeでは適用され ません。

ifx.default_password string

ifx_connect() または ifx_pconnect()においてパスワードが指定されな い場合のデフォルトのパスワード。 safe modeでは適用され ません。

ifx.blobinfile boolean

あるファイルにblobカラムを返したい場合にはTRUEを指定します。メ モリ内に返したい場合にはFALSEを指定します。 ifx_blobinfile_mode()により、この設定を実行 時に上書きすることができます。

ifx.textasvarchar boolean

select文においてTEXTカラムを通常の文字列として返したい場合は TRUEを指定し、blob idパラメータを使用したい場合は、FALSEを指 定します。 ifx_textasvarchar()により、この設定を実行 時に上書きすることができます。

ifx.byteasvarchar boolean

select文においてBYTEカラムを通常の文字列として返したい場合は TRUEを指定し、blob idパラメータを使用したい場合は、FALSEを指 定します。 ifx_byteasvarchar()により、この設定を実行 時に上書きすることができます。

ifx.charasvarchar boolean

取得時にCHARカラムから末尾の空白を取り除きたい場合にTRUEを指定 して下さい。

ifx.nullformat boolean

リテラル文字列"NULL"としてNULLカラムを返したい場合にTRUE、 空の文字列として返したい場合はFALSEを指定して下さい。 ifx_nullformat()により、この設定を実行 時に上書きすることができます。

リソース型

定義済みの定数

この拡張モジュールは定数を全く定義しませ ん。

目次
ifx_affected_rows -- クエリーで作用された行の数を得る
ifx_blobinfile_mode --  全ての select クエリーに関するデフォルトの BLOB モードを設定する
ifx_byteasvarchar -- デフォルトのバイトモードを設定する
ifx_close -- Informix 接続を閉じる
ifx_connect -- Informix サーバーへの接続をオープンする
ifx_copy_blob -- 指定した BLOB オブジェクトを2重化する
ifx_create_blob -- BLOB オブジェクトを作成する
ifx_create_char -- 文字オブジェクトを作成する
ifx_do -- 事前に準備された SQL 文を実行する
ifx_error -- 直近の Informix コールのエラーコードを返す
ifx_errormsg -- 直近の Informix コールのエラーメッセージを返す
ifx_fetch_row -- 配列として行を得る
ifx_fieldproperties -- SQL フィールドプロパティのリスト
ifx_fieldtypes -- Informix SQL フィールドのリスト
ifx_free_blob -- BLOB オブジェクトを削除する
ifx_free_char -- 文字オブジェクトを削除する
ifx_free_result -- クエリーに関するリソースを解放する
ifx_get_blob -- BLOB オブジェクトの内容を返す
ifx_get_char -- 文字オブジェクトの内容を返す
ifx_getsqlca -- クエリ実行後、sqlca.sqlerrd[0..5] の値を得る
ifx_htmltbl_result --  クエリー結果の全行を HTML テーブルにフォーマットする
ifx_nullformat -- S取得する行のデフォルトの返り値を設定する
ifx_num_fields -- クエリーのカラム数を返します
ifx_num_rows -- クエリーから既に取得された行の数を数える
ifx_pconnect -- 持続的 Informix 接続をオープンする
ifx_prepare -- SQL 文を実行用に準備する
ifx_query -- Informix クエリーを送信する
ifx_textasvarchar -- デフォルトのテキストモードを設定する
ifx_update_blob -- BLOB オブジェクトの内容を更新する
ifx_update_char -- 文字オブジェクトの内容を更新する
ifxus_close_slob -- SLOB オブジェクトを削除する
ifxus_create_slob -- SLOB オブジェクトを作成し、オープンする
ifxus_free_slob -- SLOB オブジェクトを削除する
ifxus_open_slob -- SLOB オブジェクトをオープンする
ifxus_read_slob -- SLOB オブジェクトから n バイト読みこむ
ifxus_seek_slob -- 現在のファイル位置またはシーク位置を返す
ifxus_tell_slob -- カレントのファイルまたはシーク位置を返す
ifxus_write_slob -- SLOB オブジェクトに文字列を書きこむ